色素沈着の原因③(紫外線・血管)

紫外線や血管疾患を原因とする色素沈着、皮膚変色について紹介しています。

■紫外線(病気)
  • 悪性黒色腫(メラノーマ)
  • 雀卵斑(そばかす)
  • 脂漏性角化症
■血管(血液漏洩、血管炎など)
  • 多形皮膚萎縮症vasculare萎縮性
  • 慢性色素性紫斑(シャンバーグ病)
  • ヘモジデリン色素沈着過度
  • ブルーラバーブレブ母斑症候群
  • 血管炎
  • レイノー症候群
  • 斑状出血

その他の色素沈着の原因については、 色素沈着の原因一覧をご参照下さい。


悪性黒色腫(メラノーマ)

悪性黒色腫(メラノーマ)
「ほくろのガン」とも呼ばれるように、 メラノサイト(メラニンを作る色素細胞)が制御できず、 増殖、ガン化した腫瘍です。

皮膚以外にも稀に口や肛門などにも発生します。

主な原因は紫外線への暴露で、 これは太陽光以外にも日焼けマシーンなども原因となるほか、 もともとの肌が白い人や、 家族歴、年齢(加齢が進むほど発症率が高い)は危険因子となります。

紫外線が強いオーストラリアでは、 非常に一般的なガンとされ、 年間の新規症例数も1万人を数えますが、 日本の有症率はその1/12程度と考えられています。 (※世界平均を日本に当てはめた場合)

防止には紫外線対策が有効で、 日焼け止め、サングラス、帽子などで皮膚の露呈を減らすことが必要です。

また、ガンであることから、 治療には外科的手術や放射線治療など、がん治療を必要とします。

雀卵斑(そばかす)

雀卵斑(そばかす)
雀卵斑(そばかす)は、思春期前の子どもに多く見られる色素沈着です。

雀卵斑(そばかす)の原因は日光への暴露ですが、 色白の人ほど症状が出やすいことも特徴です。

色は赤、黄色、茶色、淡褐色、黒など様々です。

他の疾患や症状との違いは、 メラニンの増加を特徴とするものの、 メラノサイトと呼ばれるメラニンを作る細胞の増加は伴わないことです。

そばかすは年齢とともに薄れるケースもありますが、 日焼け止め対策による予防が一般的です。

脂漏性角化症

脂漏性角化症 脂漏性角化症

脂漏性角化症は40歳以上の中高齢者に多く見られる非癌性の皮膚の肥厚成長疾患で、 「老人性いぼ」とも呼ばれます。

顔、胸、肩、背中などに、 茶、黒、淡黄褐色などの突起物ができます。
通常は無痛のため、 治療を必要としませんが、 まれに痒みや衣服との接触により出血を有することがあります。

原因は、家族歴のほか、日光が当たる部分に多くできることから、 太陽への暴露も原因と考えられています。

多形皮膚萎縮症(vasculare萎縮性)

Civatteの多形皮膚萎縮症
リンパ腫(菌状息肉腫)の非常に稀な突然変異です。
菌状息肉腫は通常ガン化することがありますが、この病気の菌状息肉腫は良性です。

斑紋状類乾癬とも呼ばれます。

皮膚の変色は、 毛細血管拡張と皮膚萎縮によるもので、 この条件と個人のメラニン色素が相まって、 炎症による赤みの他、 黄色、茶色、紫、青、灰色、黒色など様々で、 網目やゼブラ状のパターンを呈します。

その他皮膚の変化には、 皮膚に隆起(突起)ができている場合や薄く乾燥したしわ、 角質層が厚くなる場合もあります。

慢性色素性紫斑(シャンバーグ病)

慢性色素性紫斑(シャンバーグ病)
色素性紫斑を有する病気は多く、 シャンバーグ病以外に、血小板減少性紫斑病、ブルーム症候群などがあります。

シャンバーグ病を例に取ると、 3mm~1cm程度の紫斑が下脚に見られることが多いほか、 進行性があるため、 手、腕、胴体、さらには首などでも症状が現れることがあります。

中年以降の男性に多く、 原因は毛細血管からの血液の漏洩で、 肌細胞に赤血球が沈着した結果、 さび色、オレンジ、紫色の変色が発生します。

ヘモジデリン色素沈着過度

細胞内に見られる崩壊したヘモグロビンの沈着です。

ヘモジデリン色素沈着過度は、 ヘモジデリン(赤血球やヘモグロビンが分解される過程で生じる物質)による色素沈着を有する疾患の総称のため、 この病気には、ヘモクロマトーシス、出血性疾患、うっ滞、皮膚炎など、 血液の漏洩による様々な色素沈着が含まれます。

ヘモジデリンは血管内には存在せず、 多くの場合、出血により、血管から放出された赤血球細胞が死ぬことにより、 ヘモジデリンが形成されます。

ヘモジデリンは鉄分を含むため、ヘモジデリンの過剰は鉄過剰症に繋がる恐れがあり、 臓器損傷に繋がるケースもあります。

ブルーラバーブレブ母斑症候群

ブルーラバーブレブ母斑症候群 ブルーラバーブレブ母斑症候群

皮膚の血管腫(静脈系の血管奇形)と、 慢性的な消化管出血を特徴とする先天性の病気です。

慢性的な出血を伴うため、貧血を起こしやすく、 生涯に渡り鉄分と輸血を必要とします。

皮膚の色素沈着は比較的小さく、 1~2cm未満の青あるいは紫を呈します。

血管炎

血管炎 血管炎

大動脈、中動脈、小・細動脈や毛細血管など、 炎症を起こす血管に応じて分類されます。 炎症により血管が腫れ、 結果として、血管外に赤血球が漏れだすことから、 紫色の色素沈着を有します。

また、血管炎の原因によるものの、 赤み、膨らみ、痒み、熱、痛みを伴うことがあります。

原因は外傷の他、薬物、感染、遺伝など様々です。

蕁麻疹様血管炎、皮膚白血球破砕性血管炎などの他、 最も一般的な毛細血管細静脈血管炎など、 非常に多くの種類(病気)があります。

レイノー症候群

レイノー症候群
レイノー症候群とは、 手足の指、鼻、唇、耳などの細動脈が収縮し、血流を制限してしまう状態です。

細動脈の収縮によって、以下のような症状が現れます。
  • 血流制限部位の皮膚変色(白、青)
  • しびれやチクチクした痛み
原発性と続発性(二次性)があり、おのおの原因が異なります。
原発性の原因
  • 冷たい温度
  • 寒さに対するアレルギー
  • 感情的なストレス
  • 遺伝性
  • など
続発性(二次性)の原因は、 末梢動脈疾患を直接の原因とし、 末梢動脈疾患を引き起こす以下の様な病気が原因となります。
  • アテローム性動脈硬化
  • 関節リウマチ
  • 皮膚筋炎
  • 喫煙
  • 薬剤
  • 自己免疫疾患
  • など

斑状出血

斑状出血 斑状出血

毛細血管が破裂した結果、 表皮層内に血液が蓄積し、 色素沈着のように見える病気です。

赤あるいは青みがかった皮膚の変色と、 紫斑と比較すると斑状出血は比較的大きいことが特徴です。

原因は、 アレルギー、軽度の炎症反応、皮膚や血管の老化、 血小板の数や機能の低下などです。

似たような症状である「あざ」も毛細血管の損傷ですが、 外傷による一時出血であり、時間の経過と共に自然治癒することが多くなっています。




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