シナモンの効果と副作用
シナモンは血流改善、解熱など多くの効果があり、 漢方として用いられる時は、「桂皮(ケイヒ)」とも呼ばれ、 古くから重宝されています。一方、シナモンにはクマリンと呼ばれる毒性物質が含まれるため、 摂取量が多すぎると肝臓や腎臓の損傷をもたらすことから、 ヨーロッパでは最大上限摂取量が設けられています。
ここでは、シナモン(桂皮)の効果と副作用について、 紹介しています。
シナモンの主な効果
シナモンは、古代エジプトでは万能薬として考えられていたものの、 現代医学の発達により、その効果が明らかになりつつあります。
シナモンの主な効果
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糖尿病予防
シナモンには、 血清グルコース、トリグリセリド、LDLコレステロールなどの値を減少させる効果があるため、 2型糖尿病患者の治療に役立ちます。ヨーロッパの臨床試験のジャーナルによると、 「シナモンが糖尿病患者における空腹時血糖値を低下させることができる」と述べています。
また、 ペンシルベニア州立大学の研究者によると、 「シナモンの豊富な食事は高脂肪の食事の負の影響を助けることができる」 とも述べています。
一方、アメリカ合衆国保健福祉省(HHS)によると、 シナモンと糖尿病に関わる5つの臨床試験の解析結果から、 「シナモンは糖尿病や心臓病に関する要因に影響を与えない」と発表しており、 意見は分かれています。
血行不良改善
富山医科薬科大学が公開している講座によると、 シナモン(桂皮)は交感神経の興奮を遮断し、 平滑筋細胞に直接作用して弛緩させる作用、 および、、内皮依存性血管弛緩作用など、 いくつかの血流を悪化させる原因を断つことで、 血行不良を改善する、と掲載しています。また、千葉大学の研究によると、 シナモンは血小板の凝集を防止することにより、 血流を改善し、血栓の形成を阻害する、と述べています。
また別の研究では、 シナモンに含まれるシンナムアルデヒドが、 筋細胞内へのカルシウムイオンの流入を阻害することにより、 動脈組織の緩和、筋弛緩を引き起こし、血流を良くするとしています。
その他
ラッシュ大学医療センターの神経学科学者によると シナモンは多発性硬化症(MS)の破壊的プロセスの停止に役立つ可能性があり、 薬の服用を軽減できる可能性を示唆しています。また、 テルアビブ大学の研究者は、 シナモンがあるアルツハイマー病の予防に役立つ可能性があることを発見した、と発表しています。
しかし、シナモンとアルツハイマー病の研究は未だ数が不足しており、 更なる研究が必要とされています。
シナモンの種類
「セイロン」と「カシア」です。
カシアシナモンは中国南部に由来するシナモンで、 セイロンシナモンより安価であるものの、毒性作用のあるクマリンを多く含みます。
一方、セイロンシナモンは様々な意味を込めて、 しばしば「真シナモン」と呼ばれます。
シナモンの副作用
シナモンにはいくつかの副作用があります。 特に「カシアシナモン」は毒性物質である「クマリン」を多く含むため、 大量摂取には注意が必要です。
シナモンの副作用
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ヨーロッパの安全基準
2008年欧州食品安全機関(EFSA)は、 シナモンに含まれるクマリンは高濃度の場合、 肝臓および腎臓を傷つけること、 発がん物質として知られるニトロソアミンの代謝を促すことから、 クマリンの最大耐容一日摂取量(TDI)を体重1kgあたり0.1mgに設定しています。しかし、このクマリン含有量はシナモンの種類によって大きく異なり、 カシアシナモンとセイロンシナモンを比較すると、 カシアシナモンは毒性が非常に強く、 クマリン含有量はパウダーで63倍、スティックで18倍であることが、 2010年ドイツの調査で明らかにされています。
またドイツ規制当局は、 輸入クッキーのいくつかのブランドでは、 法律で認められている20倍のクマリンが含有されていたと発表し、 問題にもなりました。
アメリカの安全基準
アメリカ合衆国保健福祉省(HHS)によると、 経口摂取量が6週間に6グラム以内であれば安全である、と述べています。特にカシアシナモンには、クマリンの他、ワルファリンの親化合物が含まれるため、 ドイツの例になぞらえ、カシアシナモンの大量消費に対して警告しています。
その他
人によってはシナモンに対して、アレルギー反応を示す場合があり、 ひどい場合には、アナフィラキシーショックを起こすことがあります。また、妊婦においては、シナモンは早産あるいは子宮収縮を促すため、 摂取は控えるべき、と警告されています。