目の下のクマの原因は肌やせ

目の下のクマの原因の一つが、肌やせ、肌の菲薄化です。

目の下の皮膚は 他の部位の皮膚と比較すると、 わずか1/3と非常に薄く、 汗腺が少なく、コラーゲン層が薄いことが特徴です。

そのため、 肌がやせ、菲薄化すると、 その下にある悪化した血流(還元ヘモグロビン、東洋医学ではお血)や沈着した色素、眼輪筋、眼窩下縁などが明確になり、 目の下のクマとして現れます。

ここでは、肌やせ、肌の菲薄化による目の下のクマについて、紹介しています。

目の周りのたるみやくぼみによる目の下のクマについては、 別ページ涙トラフが目のクマの原因をご参照下さい。


肌やせがなぜ目のクマの原因となるのか

肌やせとは、真皮層(コラーゲン層)が薄くなったり、肌の水分が失われた状態です。

肌やせとは
  • 薄い真皮層
  • 乾燥(水分不足)
  • 新陳代謝の低下

年齢に依存する肌の変化の1つが真皮層の菲薄化です。
この真皮層は「年齢を重ねるごとにその厚さを失う」と言われます。

2006年ミシガン大学で行われた研究(※1)によると、 皮膚の老化はI型およびⅢ型コラーゲンの合成低下を特徴とし、 若い世代(18~29歳)と比較すると、 老年(80歳)では68%も減少していた、と発表しています。

このコラーゲン合成の低下は、 18歳~29歳の線維芽細胞の生産力が82(±16)であったのに対し、 80歳では56(±8)しかなく、 コラーゲンの断片化(密度の低下)と総コラーゲン量の減少を特徴とするとしています。

これら肌やせ、肌が薄くなった結果、 表皮の下に隠れたメラニンなどの色素、 血流悪化によるお血(汚れた血液)、皮下組織がより鮮明に見えるようになり、 目の下のクマとして現れます。

また、表皮の水分量は健康な肌では30%程度に保たれ、 肌の膨らみ維持に貢献しますがが、 肌の老化が進むと10%程度まで低下します。

海外では、毎日水を3リットル摂取し、 肌やせあるいは乾燥肌が治った結果、 目の下のクマが消えたことで、大きく世間を騒がせました。

参考
※1:2006年ミシガン大学で行われた研究「線維芽細胞の老化と機会的刺激(以下略)」

肌やせと目のクマの解消法

肌やせの原因を防止する
  • 紫外線を避ける
  • 十分な水分補給をする
  • 抗糖化対策をする
  • 運動をする
  • レチノイド(ビタミンA)を利用する
  • 肌の乾燥を防ぐ
  • お風呂に長時間入らない
  • 美容整形
  • アスコルビン酸(ビタミンC)を摂取する

紫外線を避ける

紫外線による色素沈着は肌老化の原因ですが、 紫外線は色素沈着以外に、コラーゲンの分解に寄与します。

重度の光損傷によるコラーゲンの分解(断裂)は、 コラーゲンを減らすだけでなく、 コラーゲンの生産能力を低下させることが様々な研究により明らかにされています。

十分な水分補給をする

水分補給とアンチエイジング
個人が行った検証であり、また、もともとの趣旨(頭痛と消化不良の改善)は異なるものの、 42歳の女性が医師と栄養士のすすめにより、 28日間、毎日水を3リットル飲んだところ、 以下のような結果(検証者個人の主観を含む)が現れ、 海外で大きく取り上げられました。
  • 体重が1.3kg減少(55.2kgから53.9kgに)
  • ウエストが1インチ(約2.5cm)減少
  • 太もものセルライトが消えた
  • 目の下のクマが消えた
  • シワが消えた
  • 肌がより弾力的になった
  • 頭痛、腸の調子が良くなった(当初の目的)
また、彼女の友人の美容セラピストによると、 「水が肌細胞をより効率的に再生成することを支援した効果である」と語っています。

抗糖化対策

糖化とは簡略化すると、 「糖分」と「たんぱく質」が結びついて、 肌の老化を促進してしまう反応です。

真皮層にある線維芽細胞は、 コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸といった成分を作り出す細胞です。 糖化はこの線維芽細胞の機能を低下させ、 コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の産出量を低下させてしまいます。

京都薬科大学で行われた研究では、 AGEs(たんぱく糖化最終生成物)が皮膚の真皮層に蓄積し、 線維芽細胞の非特異的な作用を通じて、細胞機能を劣化させるとしています。

また、コラーゲンそのものはたんぱく質のため、 糖化によってコラーゲンも変性・劣化してしまい、 肌の弾力が低下します。

糖化と目の下のクマについては、 糖化が目のクマ・たるみの原因をご参照下さい。

運動をする

スポーツ医学のためのアメリカ医学会という団体が発表した内容によると、 「毎週3時間以上運動を行っているグループでは、 60代でも20~30代の皮膚組織にかなり近い結果であった」と述べています。

この研究では、29名のボランティアに対して、 毎週3時間以上運動を行っているグループと、 座りがちなグループの太陽に晒されていない皮膚を比較したところ (紫外線などの影響を受けていない皮膚を比較するため)、 座りがちなグループでは、厚い角質層と薄い真皮層を持っていたのに対し、 運動を行うグループでは、健康な角質層と厚い真皮層(コラーゲン)を持っていました。

詳しくは、運動による美容効果をご参照下さい。

レチノイド(ビタミンA)を利用する

いわゆるビタミンAです。

医学的には、体表面を覆う「表皮」の増殖をもたらし、 コラーゲンの生成や皮膚の新陳代謝が活性化されることから、 にきび、乾癬、カポジ肉腫など皮膚病変の治療に用いられるほか、 美容目的ではしわ防止、色素沈着の治療に利用されます。

そのため、 「局所レチノイド適用は、 光による肌の老化を改善する最も効果的な方法である」と主張する医師もいるほどです。

レチノイドより生理活性が強いトレチノインについては、 トレチノインの効果・利用・副作用をご参照下さい。

肌の乾燥を防ぐ

肌を乾燥させる原因は肌荒れ、水分不足、運動不足、室内の乾燥、長時間のお風呂などのほか、 甲状腺機能低下症などの病気も原因となります。

このうち、お風呂については、 お風呂の美容効果をご参照下さい。

美容整形

美容整形外科では、 コラーゲンあるいはヒアルロン酸などの注射により、 シワを目立たなくしたり、たるみを取り除いたり、肌に弾力を持たせるなどが可能です。

また、コラーゲン注射以外に、 ご自身の肌の中にある細胞そのものを移植し、 肌を若返らせる「肌の再生医療」では、 肌質そのものの改善により、 シワ、たるみ、目の下のクマなどに効果があります。

アスコルビン酸(ビタミンC)を摂取する

1989年「細胞生理学ジャーナル」に掲載された研究によると、 アスコルビン酸により 「3週間でコラーゲンの合成速度が2倍になった」と発表しています。

詳しい内容や他のコラーゲンを増やす方法については、 コラーゲンを増やす方法をご参照下さい。


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