目の下のクマの原因はお酒
お酒を飲むと目の下のクマが「消える」人と、 お酒を飲むと目の下にクマが「できる」人がいます。これはお酒の量が 目の下のクマに影響を与えるためです。
ここでは、お酒を飲むとなぜ目の下のクマができたり、消えたりするのか、 お酒と目の下のクマの関係について、紹介しています。
なぜ目の下のクマが解消するのか
アルコールで目の下のクマが解消する理由は、 血流改善効果によるものです。血管拡張・血流を改善する
「アルコールは血管拡張剤である」と言われるほど、 血管を拡張し、血液の流れを良くします。特に末梢血流と毛細血管の血流改善に効果があり、 アルコールを末梢血管疾患および狭心症の治療のために活用すべきだ、 と提唱する医師がいるほどです。
また、血管が拡張し気分が高揚するため、 日常のストレス解消に貢献し、ストレスを原因とする目のクマにも効果があります。
血流凝固が溶解する
ワインに限らず、アルコールは血液を固まりにくくし、サラサラにする効果があります。これは、アルコールが血液を固まらせる作用を持つ血小板の凝集を抑えてくれるためで、 飲酒時に出血すると、血が止まりにくくなるのはそのためです。
なぜ目の下にクマができるのか
アルコールで目の下にクマができる理由は、 大量飲酒による血流悪化によるものです。血流が悪化する
アルコールが抜けると、リバウンドにより血小板が増え、 この増加により飲酒前よりも血液がドロドロになる、という研究成果があります。また、 飲酒中の肝臓はアルコールの分解に専念させらるため、 中性脂肪やコレステロールの分解時に生じる残りカスであるレムナントを生じ、 これらが長期に渡って蓄積すると、血管の幅を狭めるアテローム性動脈硬化へとつながります。
赤血球を減らす
アルコールは赤血球の細胞膜を構成する脂質を溶解、損傷してしまうため、 赤血球の数を減らします。また、赤血球の数が減るだけでなく、 壊れた赤血球から、 血液をドロドロにする原因の一つであるADP(アデノシンリン酸)が放出され、 さらに血流が悪くなってしまいます。
血圧が上がる
飲酒によって血管が拡張し、血液がサラサラになるため、一時的に血圧が下がるものの長くは続きません。大量飲酒が常習化すると、徐々に血圧が上がっていき、高血圧症になることが分かっています。
多くの研究成果から、アルコール10ml(=ビール250ml相当)で血圧が1mmHg上昇すると言われており、 特に毎日30ml以上のアルコール(=ビール750ml相当)の飲酒により、 その傾向が顕著になると米国心臓協会が発表しています。
そのため、飲酒が常習化すると目の下のクマがよりひどくなります。
適度な飲酒とは
米国心臓協会の栄養委員会、トーマス・A・ピアソン医学博士によると、 毎日1~2杯の飲酒は、冠状動脈性心臓病(CHD)、アテローム性動脈硬化のリスクを30~50%減少させるとしています。これは、「全くアルコールを飲まない人や、 たまに飲む人よりも、毎日アルコールを飲む人の方が健康であった」と述べているほどです。
この結果は、アルコールが HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増加させることや、 血液凝固を減少させ、血栓を破壊するなどの効果によるものと考えられています。
しかし、 大量のアルコール消費は、 血流悪化と目の下のクマに繋がります。
そのため、目の下のクマを改善する場合、 飲酒時は「必ず1~2杯程度に抑える」という、 非常に強い意思が必要になります。
適度な飲酒量については、 アルコール適量とはをご参照下さい。