目の下のクマの原因と判定法

目の下のクマの原因は非常に多く、 また、原因ごとにそれぞれ検査方法が異なるものの、 病院での検査や生活習慣から、 目のクマの原因を知る方法があります。

ここでは、目の下のクマの原因を知る方法について、 いくつか紹介しています。

目の下のクマができる原因については、 目の下のクマの原因一覧をご参照下さい。
また、目の下のクマの色から原因を特定する場合には、 目のクマの色(紫・青・茶・黒)をご参照下さい。


目の下のクマの原因 判定方法

目の下のクマの原因は非常に多いため、 何か1つの方法によって原因を知ることは難しいものの、 病院での検査や生活習慣から手がかりを知ることができます。

目の下のクマの原因 判定方法
■病院
  • ウッドランプ
  • 血管の太さを測る
  • 甲状腺の病気
  • その他色素沈着を有する病気
■ご自宅で手軽に
  • 目の周りを温める、冷やす
■身体の変化・症状・状態
  • 妊娠・経口避妊薬・更年期
  • 冷え性、低体温症
  • 乾燥肌
  • 肥満
■生活習慣
  • 運動不足
  • ストレスが多い
  • 目をよくこする、化粧による刺激
  • 紫外線によく当たる
  • PC、スマホのやり過ぎ
  • シャワーだけ、お風呂に入らない
■食事
  • 鉄分不足(鉄分の取り過ぎ)
  • 肉類や砂糖の食べ過ぎ
■その他
  • タバコ
  • アルコール(過剰)
  • 紫外線

病院

ウッドランプ

ウッドランプ
ウッドランプとは別名「肌分析器」とも呼ばれ、 紫外線によるシミや肝斑などのほか、 白斑、細菌、真菌の感染症も発見することができる皮膚科医にある医療用器械です。

ウッドランプによって照らされた色素沈着部位は、 異なる色で表現され、 色素沈着の数や大きさ以外に、 色素沈着の深さ(表皮か真皮層か)も調べることができるため、 肝斑や炎症による色素沈着の判定にも用いられます。
(※器具により測定可能な内容は異なります。)

血管の太さを測る

血管の太さを測る
目の下のクマの原因の1つが血流の悪化です。

この血流を測定する方法がいくつかあり、 「頸動脈の内皮測定」と「脈波伝播速度(PWV)測定」もその1つです。

これらは 動脈硬化の進行や病状を調べる目的で利用されるものの、 血流の悪化の原因の1つである動脈硬化の進行度合いを調べることができます。

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症
甲状腺機能低下症は以下の目のクマの原因となります。
  • 乾燥によるクマ
  • 血流の悪化によるクマ
  • 色素沈着(黒色表皮症)
  • むくみ(影クマ)
甲状腺機能低下症かどうかは血液検査(TSH、FT3、FT4の値)によってわかります。

詳しくは、目の下のクマの原因は甲状腺機能低下症をご参照下さい。

その他色素沈着を有する病気

色素沈着、肌の変色を有する病気は非常に数が多く、 それぞれ検査方法が異なります。

詳しくは 色素沈着 原因一覧をご参照下さい。

ご自宅で手軽に

目の周りを温める、冷やす

目の周りを温める、冷やす
温かいタオルや冷たいタオルを目の周りに置いて、 目のクマが消えたり、悪化したりする場合、 血液あるいは血管が目のクマの原因の可能性が高くなります。

温かいタオルは目の周りの血流を良くするため、 温めることで目のクマが消える場合、 血流悪化による目のクマの可能性が高くなります。

一方、冷たいタオルは血液の流れを悪くすることで、 血流のほか、血管に関わる目のクマ(肌の菲薄化により血管が見えている)、 炎症により血管が腫れている目のクマなどを判断するのに役立ちます。

ただし、血液は動脈(赤)と静脈(黒褐色)で血液の色が異なることや、 毛細血管では両方の色を有すること、 また、濡れタオルは肌に水分を供給し、 肌の菲薄化を一時的に解消してしまうことから、 この方法は完全ではありません。

身体

妊娠・経口避妊薬・更年期

妊娠・経口避妊薬・更年期
肝斑は別名「妊娠のマスク」と呼ばれるように、 ホルモンの変化は色素沈着の原因となります。

これは妊娠だけに限らず経口避妊薬などのエストロゲンの過剰摂取も原因となります。

反対に、エストロゲンの低下は、 「血流の悪化」、「新陳代謝の低下」により、 目の下のクマに関わります。
そのため、更年期や他の要因でエストロゲンが低下すると、 目の下にクマが現れることがあります。

冷え性、低体温症

冷え性、低体温症
冷え性や低体温症は血流悪化が原因です。
これは身体の深部(心臓に近い臓器)の体温を維持するため、 末端ほど血流の巡りを悪くする人間の生命維持機能です。

もともと人間の目の周りの血流は悪いため 冷え性や低体温症によって血流がさらに悪くなります。

ただし、低体温症の改善はご自身の選択が重要になります。

低体温症は様々な身体の不調に繋がるとする医師がいる一方、 「長寿(アンチエイジング)」に繋がる可能性が指摘されており、 低体温症の改善そのものに異を唱える医師もいるためです。

詳しくは、低体温症の原因と改善方法をご参照下さい。

乾燥肌

乾燥は肌の水分量を低下させるため、 肌の菲薄化(薄くなること)によって、 皮下組織の血管、筋肉、脂肪の色がより目立つ様になるほか、 乾燥によるシワや小じわは光の乱反射により、 目の下に影、いわゆる影クマを作ってしまいます。

肥満

肥満
肥満は以下の目の下のクマの原因となります。
  • 血流の悪化
  • 糖尿病の合併症による色素沈着
  • 血管の肥大
  • 目の下のふくらみによる影クマ
血流悪化の1つである動脈硬化の最大の危険因子は「メタボリックシンドローム」であり、 肥満はその一要素です。

詳しくは、目の下のふくらみの原因をご参照下さい。

生活

運動不足

運動不足
運動不足は目の下のクマの原因となる様々な要素を含んでいます。
  • 血流の悪化
  • 肌の菲薄化(薄くなる)
  • 新陳代謝の低下
  • 成長ホルモンの低下
  • 血管の腫れ、肥大
  • 目の下のふくらみ
スポーツ医学のためのアメリカ医学会という団体が発表した内容によると、 「毎週3時間以上運動を行っている場合、 紫外線にさらされていない部位の皮膚は、 60代でも20~30代の皮膚組織にかなり近い結果であった」と述べています。

この研究の対象となった 運動を行うグループは、健康な角質層と厚い真皮層(コラーゲン)を持っていましたが、 比較対象となった座りがちなグループは、 目の下のクマの原因にもなる厚い角質層、薄い真皮層を持っていた、と発表しています。

ただし、 激しい運動による酸素不足は、一時的にチアノーゼ(運動性チアノーゼ)を起こすため、 運動直後に目の下のクマが悪化することがありますが、一時的です。
詳しくは、 運動による美容効果をご参照下さい。

ストレスが多い

ストレスが多い
ストレスによって目の下のクマが悪化するのは、 血流が悪くなること以外に、 ストレスによってメラニンの産出が増加するためです。

これはストレスによって副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)によって作られる産出物(前駆体)を、 メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)も利用するため、 ストレスが過剰になることは、メラニンも過剰となり、色素沈着につながる恐れがあります。

この副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の過剰と、 色素沈着を症状とする病気の代表がアジソン病です。

目をよくこする、化粧による刺激

目をよくこする、化粧による刺激
アレルギーや目をよくこすることは、 血管の拡張、炎症後色素沈着、摩擦黒皮症などの原因となります。

炎症による色素沈着は、 基底層の破壊をもたらすため、 真皮でのメラニン沈着を促します。

また、 摩擦による色素沈着は医学的には「摩擦性黒皮症」と呼ばれ、 これは、皮膚への過剰刺激が原因で、 背中やワキの下での色素沈着が最も多いものの、 目の下の皮膚はあまりにも薄すぎるため、 洗顔や化粧の皮膚への過剰刺激が目のクマの原因になると指摘する医師もいます。

詳しくは、 目の下のクマの原因(かゆい、こする)をご参照下さい。

PC、スマホのやり過ぎ

PC、スマホのやり過ぎ
PCやスマートフォンのやり過ぎは、 まばたきの回数を激減させます。

まばたきは、目の表面の汚れを落としたり、 乾燥を防止する役割以外に、 脳をリフレッシュする役割や、目の周りの血流を促進する役割があります。

これは筋肉を動かすことによって血流が促進されることと同じで、 まばたきに目の周りの血流を促進する役割があるためです。

そのため、PCやスマートフォンなど、 まばたきの回数を激減させる行為は、 目の周りの血流悪化につながり、目の下のクマの原因となります。

詳しくは目の下のクマの原因はPC、スマートフォンをご参照下さい。

シャワーだけ、お風呂に入らない

シャワーだけ、お風呂に入らない
お風呂による体温の上昇は、 血管内に一酸化窒素(NO)を発生させ、 「毛細血管の拡張」、「血小板の凝縮の抑制」といった効果のほか、 ストレス解消とリラックスにより、血流を促進します。

そのため、お風呂に入らないことは、 これら血流の改善と目の下のクマを改善する機会を 失っていることを意味します。

特にお風呂が嫌いな人は、 数年、数十年と湯槽につからないことが多いため、 このような習慣が血流を改善する機会を喪失している可能性があります。

詳しくは、美容効果のあるお風呂の入り方をご参照下さい。

食事

鉄分不足(鉄分の取り過ぎ)

ヘモクロマトーシス(鉄過剰)
鉄分が不足すると、赤血球内の赤色色素を生成することができないため、 皮膚は淡く、青白くなります。

目の下の皮膚は他の皮膚と比較すると非常に薄く、わずか1/3しかないため、 薄い肌から皮下組織(血管、脂肪、筋肉など)が透けて見え、 それが目の下のクマに見える場合があります。

反対に、鉄分の過剰摂取による色素沈着は、 ヘモクロマトーシスと呼ばれ、 目の下だけに現れることはないものの、肌が赤みを帯びるようになり、 目のクマが目立つようになるため注意が必要です。

肉類や砂糖の食べ過ぎ

肉類や砂糖の食べ過ぎ
糖化とは簡略化すると、「糖分」と「たんぱく質」が結びついて、 肌の老化を促進してしまう反応で、 「紫外線」、「酸化」、「乾燥」と並んで、肌の老化を促進する4大原因と考えられています。

食べ物を焼くことで黒くなる(メイラード反応)ように、 人間においても糖化によって、様々な変化をもたらします。

そのうち肌における変化では、 コラーゲンを硬くし、 しわ、たるみとそれに伴う目の下の影クマの原因となります。

詳しくは、糖化が目のクマ・たるみの原因をご参照下さい。

その他

タバコ

「毎日30本タバコを吸うことによる皮膚の老化は、 70歳までに14年分の老化に相当する可能性がある」とも指摘されるように、 タバコは目の下のクマだけでなく、 シワ、たるみ、毛穴など様々な肌老化の原因になります。

また、大量のアルコールは、 血流を悪化させるだけでなく、 アルコール依存症、脳卒中、アルコール性心筋症、 癌、肝硬変、膵炎、自殺(願望)、殺人など様々な病気・問題を引き起こします。

ただし、 アルコールは量と頻度によって血流を良くする働きがあり、 米国心臓協会の栄養委員会、トーマス・A・ピアソン医学博士によると、 「毎日1~2杯の飲酒は、冠状動脈性心臓病(CHD)、アテローム性動脈硬化のリスクを30~50%減少させる」 と発表しています。

詳しくは、タバコをやめる効果(美容編)、 または、 目の下のクマの原因はお酒 をご参照下さい。


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目の下のふくらみ原因と解消方法
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