減塩で顔・目のむくみ解消
顔や目の下のむくみ解消方法は、「浸透圧の変更(ナトリウム過多解消)」、「リンパの流れを良くする」、「毛細血管のもろさ・損傷をなくす」の主に3つです。この中でも特に食塩は、 現代人の多くの人が取り過ぎる一方、 オフィスワークや冷房の効いた環境により、 排出がほとんどされないため、 ナトリウム過多によって起こる顔や目のむくみの原因になっています。
ここでは、顔や目のむくみの3大原因のうち、ナトリウム(食塩)過多の解消方法を紹介しています。
顔・目のむくみ解消
顔・目のむくみ解消(食塩)
■過剰摂取を控える
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食塩の推奨摂取量を知る
食塩の推奨あるいは目標摂取量は、 国や機関によって異なるものの、 健康の観点から、 世界的に「減塩」の方向で各機関、政府が働きかけており、 ヨーロッパでは「EU塩削減フレームワーク」として、EUの全ての加盟国で減塩対策を実施しています。
食塩の推奨あるいは目標摂取量
目標値、または、推奨量 | |
厚生労働省 | 男性:8g 女性:7g |
WHO(世界保険機構) | 男女とも:5g |
アメリカ心臓学会 | 3.81g |
アメリカ食品医薬品局(FDA) | 6.09g |
アメリカ保険医薬品局 | 3.75~5.75g |
カナダ保険省 | 3.0~3.75g |
※高血圧や心臓病などの病気を患う場合、更に低い目標値が定められています。
このように厳しい減塩が叫ばれる中、 日本人の食塩平均摂取量は男性10.5~11.8g、女性8.8~10.0g(平成22年、23年中央値)と、 世界の国々と比較しても非常に多くなっており、 厚生労働省や農林水産省も減塩の必要性を強く訴え、 「日本人において、(健康上の)一番の問題と考えられているのは、食塩の取りすぎである」と 発表しているほどです。
日本人の食塩平均摂取量
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塩の正しい量を知る
塩は小さじ1杯でおよそ5gあり、 これは厚生労働省の男性基準の場合、およそ8/5杯で基準値に達してしまいます。また、より厳しい基準であるカナダ保険省やアメリカ心臓学会などでは、 およそ3/5杯が推奨量あるいは目標量となります。
一日の食塩量
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食塩相当量の意味を知る
多くの食品に記載されている「食塩相当量」とは、「ナトリウム量」であり、 食塩量ではありません。そのため、「食塩 = 食塩相当量(=ナトリウム量)×2.54」であるため、 「食塩相当量」の記載のある食品には、注意が必要です。
食塩が多い食品を知る
アメリカ心臓学会、ヨーロッパ健康と食品安全総局などでは、 「食塩はその75%が加工品あるいはレストランが原因である」と述べています。また、日本では、「食塩は7割が調味料から来ている」と発表しており、 うち醤油と味噌で34%を占めています。
そのため、食塩量を減らすには、 外食や加工品を控えるほか、 醤油・味噌などの味付け時、塩を減らすあるいは減塩食品を選ぶことが必要です。
食塩が多い食品
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ハーブやスパイスを利用する
ハーブやスパイスは「塩」に変わる自然の調味料です。食塩を欲する理由は「味」ですが、 ハーブやスパイスは食塩に変わって味を補完してくれます。
2013年ユネスコの無形文化遺産に登録された地中海式ダイエットでは、 「ハーブ、スパイス、オリーブオイルなどを利用することは、 食塩を減らす良い方法である」と述べており、 またヨーロッパで食塩摂取量が少ない理由もハーブやスパイスの利用によるものかもしれません。
地中海式ダイエットについては、 地中海式ダイエットの方法をご参照下さい。
運動する
アメリカスポーツ医学会は、 簡単な運動によって、ナトリウム0.5~0.7g(食塩1.3g~1.8g)を喪失することを推奨しています。厚生労働省の発表によると、 座りがちな人の一日のナトリウム排出量はわずか0.074g/日(体重63kgの場合)であると発表しており、 これは食塩に換算するとわずか0.18g/日にしかなりません。
一方、食塩平均摂取量は男性10.5~11.8g、女性8.8~10.0gのため、 座りがちな生活が続くと、 日々ナトリウム過多になっている恐れがあります。
ナトリウム排出量は運動の種類や個人によって異なるものの、 アメリカバイオメッドサイエンス社の研究によると、 猛暑作業中の発汗によるナトリウム喪失量は10時間で食塩12~15gに相当すると発表し、 また、塩製造業者が委託した英国のサッカー選手の研究では、 90分間のトレーニングで食塩10gを失うといった結果が出ており、 簡単な運動でも発汗により十分なナトリウム(食塩)の排出につながります。
これらナトリウム排出は排尿と発汗によるもののため、 運動以外にも、 お風呂で汗をかいたり、クーラーを控えるなども効果があります。 (※ただし、熱中症にはくれぐれもご注意下さい。)