リンパマッサージでむくみ解消
リンパマッサージとは、 リンパ浮腫の治療のためにドイツで開発された技術です。 (デンマークで副鼻腔炎を治療するために開発されたとの説もある)それまでの医学では、触れることがタブーとされていたリンパに対して、 リンパドレナージュを施し、閉塞除去に効果があったことから、 現在でもリンパ浮腫の主要な治療方法として用いられています。
このリンパの流れを促進するリンパマッサージが、 その効果の高さにより、 スポーツ医学、美容、アンチエイジングの分野でも用いらる様になり、 リンパの流れを数倍に、文献によっては10倍にする、とさえ言われています。
リンパの役割
人間は一日平均20リットルの血漿や間質液を処理しています。そのうち、17リットルはそのまま毛細血管に再吸収されるものの、 リンパは残りの3リットルを処理しています。
そのため、リンパの流れが滞ると、 この回収できない液体が細胞内にとどまり、 むくみや老廃物の蓄積につながります。
リンパの役割
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リンパとむくみ
リンパの働きの1つが「不要な液体の回収」です。そのため、リンパが詰まると、この機能が働かなくなり、 むくみとなって現れます。
特にリンパの詰まりによるむくみは「リンパ浮腫」と呼ばれ組織の肥大化を特徴とする疾患です。
むくみの3大発生箇所
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リンパマッサージでむくみ解消
リンパ液は血液のように身体を循環しているものの、 血液のように心臓の役割を担うポンプのような器官はありません。リンパ液は筋肉や血管(動脈)の動きによって拡張・収縮し、 非常にゆっくりと循環しています。
そのため、リンパマッサージによって、 手でリンパの流れを促進することができます。 (※血管のように、逆流弁がついているため、逆流することはありません。)
リンパマッサージの技術
リンパマッサージには「クリア」と「再吸収」と呼ばれる手法により、 リンパの流れを制御します。
- クリア・・・組織から液体を除去
- 再吸収・・・組織に液体を戻す
部分的な顔のむくみの場合、 施術者によって異なるものの、 顔の中心線から顔の輪郭(外側)にリンパを流すようにし、 その後頸動脈にそって鎖骨に流すという手法を取るケースが多いようです。
最後に鎖骨に戻すのは、 鎖骨の下静脈でリンパの循環と血液の循環が合流するためです。
また、リンパは体内を循環しているため、 部分的なリンパの流れを良くするだけでなく、 身体全体のリンパの流れを促進することも重要になります。
リンパマッサージができない人・副作用
リンパマッサージはリンパの流れを良くします。 それはリンパによってがん細胞やアレルゲンを拡散してしまうことにも繋がるため、 以下のような症状・病気を患う人においては、リンパマッサージは禁忌とされています。- 急性炎症
- 悪性腫瘍
- 血栓症
- 主要な心臓の問題
リンパマッサージと合わせて
組織の余分な水分の3リットルはリンパで再吸収されるものの、 残りの17リットルは、毛細血管から再吸収されるため、 むくみの解消には、リンパだけでなく、 血液の流れを良くすることも重要です。特に筋肉を動かすことで、 リンパだけでなく、血流も良くなる運動は、 むくみの解消に効果的です。
運動によるむくみ改善やその他美容効果については、 運動による美容効果をご参照下さい。