目の下のクマの原因一覧
目の下のクマの原因は、 色素沈着をはじめ、 血流の悪化、血管の腫れ、肌の菲薄化(薄くなる)、脂肪の増減・下垂、骨の劣化、 またそれらを引き起こす病気、生活習慣など、 現在分かっているだけでも数十種類以上に及びます。これら原因は、 古くは東洋医学から、 近現代では、1907年チャールズ・コンラッド・ミラーの眼窩切除写真(解剖学)を元に、 少しづつ明らかにされています。
ここでは、現在分かっている目の下のクマの原因を4つに分類し、 それぞれの概要について、紹介しています。
おのおのの詳細については、ページ内の各リンク先をご参照下さい。
目の下のクマの原因は4分類
目の下のクマの原因は大きく分けると4種類存在します。
目の下のクマの原因は4分類
|
肌(しわ、乾燥、新陳代謝の低下など)
目の下の皮膚は疎性結合組織と呼ばれ、 他の皮膚と比較すると非常に薄いことが特徴で、 その厚みはわずか1/3程度しかありません。
そのため、 コラーゲン、エラスチンの産出低下や乾燥によって肌が痩せると、 皮下組織に存在する色(血管、血液、筋肉、骨など、 何が目のクマの色を生成するかについては、個人により異なる)が目立つようになり、 目の下のクマとして現れます。
また、肌の色を決める要因の1つが光ですが、 乾燥によってキメが荒くなったり、皮膚が萎縮すると、 小さな光の反射と屈折により影(影クマ)を生成します。
その他、新陳代謝の乱れにより、 角質層が肥大すると、肌がくすんで見えるため、 このくすみが目のクマに見えることもあります。
メラニン、色素沈着
メラニンは皮膚の色を決める重要な要素です。
メラニンそのものは新陳代謝によって表皮から剥がれていくものの、 新陳代謝が低下しメラニン層が厚くなると、肌がくすんで見えることがあります。
また、メラニンを産出するメラノサイトは、 通常基底層(表皮の最下層、真皮の上)に存在するものの、 紫外線、アレルギー、目のこすり過ぎなど、 様々な原因により、 このメラノサイトが真皮層に沈んでいくことが研究により解明されています。
このメラノサイトの真皮層での色素沈着が、 「消えないシミやくすみ」の原因とされ、 肝斑はその代表とされています。
血管、血流
お酒、ストレス、睡眠不足などが原因で、目の下にクマができることは多くの人が体験する症状ですが、 慢性的に血流が悪くなると、常に目の下にクマができるようになります。
この血流悪化による目の下のクマは古くは東洋医学において明らかにされ、 現代でも目のクマの主要な原因の1つと考えられています。
ただし、この血管と血流による目のクマに関しては、 静脈、毛細血管、血管の腫れ、血液の漏洩(※皮膚変色の例として挙げられるケースが多い)など、 様々な意見があります。
特に毛細血管に関しては、 20代をピークに、 60代ではおよそ半数近く(40%)も減少してしまうため、 血流の悪化による目のクマだけでなく、 血流の悪化による栄養と酸素の不足により、 肌の菲薄化やたるみなど、 他の目のクマの原因にもなってしまいます。
ただし、血流の中でも、 激しい運動によって血中酸素が不足した結果、 目の下にクマができたように見える運動性チアノーゼについては、 一過性であるため、当サイトでは目の下のクマとして取り上げていません。
脂肪や皮下組織の凹凸
目の下のふくらみによってできる目の下のクマ(影クマ)や、 目の下がへこみ、それが原因でできる目の下のクマ(涙トラフ)もあります。
目の下のふくらみは、 解剖学では目の下の脂肪を抑えこんでいる眼窩隔膜や眼輪筋の劣化が指摘されているほか、 体重そのものの増加に伴う眼窩脂肪の増加や、 顔や目のむくみも原因の1つと考えられています。
反対に、 目の下のへこみや涙トラフ(涙が溜まる目の下のくぼみ)は、 目の周りの骨の変形・下垂(特に更年期以降の女性によるカルシウム不足)、 目の下にある靭帯の存在そのもの、脂肪の萎縮、肌のたるみや下垂などが原因と考えられています。