目の下のクマの原因は甲状腺機能低下症
目の下のクマの原因の一つに甲状腺機能低下症があげられます。甲状腺機能低下症は甲状腺の機能が低下することにより、 様々な症状が生じる病気です。
症状は非常に多岐に渡るものの、 その一つが目の下のクマです。
ここでは、甲状腺機能低下症と目の下のクマの関係について、紹介しています。
甲状腺機能低下症がなぜ目の下のクマの原因となるのか
甲状腺は、喉ぼとけ付近にある小さな臓器ですが、 しばしば「エネルギーを作り出す臓器」と呼ばれるように、 人間にとって非常に重要な役割を果たしています。
甲状腺機能低下症と目の下のクマの関係
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低体温になる
甲状腺には体温を上げる役割があります。そのため、甲状腺機能が低下すると、基礎体温の低下や身体の冷えといった症状に悩む人が少なくありません。
米国科学アカデミー(NAS)に発表された論文によると、 甲状腺ホルモンの分泌が低下したマウスでは、 血管の収縮を調整することができず、 必要以上の熱が身体から奪われるため低体温になる、と発表しています。
心拍数の低下
甲状腺機能低下症の症状の一つに心拍数の低下があります。心拍数は血流を調整する元となるため、 心拍数の低下はそのまま血流の低下を意味し、目の下のクマにつながります。
顔・目のむくみ
甲状腺機能低下症患者の多くは、 目の下が腫れぼったくなり、むくみができやすいことが、 1つの特徴としてとらえられます。この甲状腺機能低下症によるむくみは、 「粘液水腫」と呼ばれ、 皮膚に水和力の高い酸性ムコ多糖類が蓄積することが原因と考えられています。
これら目の下のふくらみと光の作用により影ができ、 目のクマ(影クマ)に見えてしまいます。
皮膚の乾燥
甲状腺機能低下症の特徴の1つが重度の皮膚の乾燥です。皮膚の乾燥はシワの元となり、 ちりめんジワによる影クマや角質層の乱れによる目のクマの原因となります。
色素沈着
甲状腺機能低下症が色素沈着の原因となるのは、 メラニンの生成を刺激するためです。そのため、甲状腺機能低下症は肝斑の原因の1つにもなっています。
また、 甲状腺機能低下症は、 黒色表皮症と呼ばれる皮膚が黒くなる原因となるほか、 黄色い肌(カロチン血症)による色素沈着の原因にもなります。
色素沈着や肝斑については、 色素沈着の原因①(病気/内臓・ホルモン系疾患) をご参照下さい。
体重の増加
肥満の国際ジャーナルの一記事に掲載されている内容によると、 「甲状腺機能低下症の患者は、正常時と比較するとおよそ15%以上の体重増加の傾向がみられる」 と掲載しています。この体重の増加は、目の下のふくらみ、影クマの原因にもなります。
目の下のふくらみについては、 目の下のふくらみは脂肪が原因をご参照下さい。
また、甲状腺機能低下症と体重増加の関係については、 痩せない原因は病気の可能性をご参照下さい。