色素沈着の原因②(先天性・遺伝性)

先天性または遺伝性疾患を原因とする色素沈着、皮膚変色について紹介しています。
  • 神経線維腫症
  • マッキューン・オルブライト症候群(MAS)
  • ポイツ・ジェガーズ症候群
  • 色素性乾皮症
  • 真皮メラノサイトーシス
  • 太田母斑
  • 蒙古斑
  • 網状色素沈着皮膚症 (DPR)
  • 家族性進行性色素沈着
  • ガリ・ガリ病
  • Pallister・キリアン症候群
  • 先天性角化異常症
  • 一過性新生児膿疱性メラノーシス
  • 遺伝性出血性末梢血管拡張症

その他の色素沈着の原因については、 色素沈着の原因一覧をご参照下さい。


神経線維腫症

神経線維腫症 神経線維腫症

神経線維腫症は遺伝性の病気で、腫瘍、異常色素沈着、骨の奇形などを有する病気です。

色素沈着も1種類だけでなく、 カフェオレ班、色素斑(しみ)、雀卵斑(そばかす)が現れます。

カフェオレ班は多くの場合、 出生時に既に伴うことが多いものの、 小児でも現れることがあり、 6箇所以上のカフェオレ班を持つことが、 神経線維腫症かどうかを判断する強力な指標になっています。

また、色素斑(しみ)や雀卵斑(そばかす)は通常3~5歳頃に現れ、 脇の下や太ももの付け根の領域に多く見られます。

神経線維腫症の主な原因は両親からの遺伝で、 年齢とホルモンの変化に伴い、 脊柱側弯症、学習障害、筋骨格障害、高血圧、偏頭痛など他の様々な症状が現れます。

国から難病指定されており、専門医での治療が必要です。

マッキューン・オルブライト症候群(MAS)

マッキューン・オルブライト症候群(MAS)
以下3つの症状のうち、2つ以上当てはまる場合、 マッキューン・オルブライト症候群(MAS)が疑われます。
  • カフェオレ班(片側に集中しやすい)
  • ホルモン過剰、思春期早発症
  • 多発性線維性骨異形成(線維性骨形成異常)
皮膚カフェオレ斑は出生時より認められることが多く、 また、ホルモンが過剰に分泌されてしまうため、 甲状腺機能亢進症、 クッシング症候群の他、 女性では早発乳房(乳房の成長)、 早期の初潮(月経機能の始まり、早い場合は1歳未満で発症)などの思春期早発症などが現れます。

原因は遺伝子の突然変異ですが、 重症度は個人差が非常に大きく、 治療は専門医での診断を必要とします。

ポイツ・ジェガーズ症候群

ポイツ・ジェガーズ(ポイツ・ジェガース)症候群
口唇や口の中に最初の色素沈着が現れることが多く、 その他、目と鼻の周り、肛門付近、手足の指にも小さな黒い色素沈着が現れます。

生後数ヶ月から認められ、 成長とともに数と大きさを増すことも特徴です。

その他、 胃腸管内で多発性ポリープを有することも特徴で、 非癌性ポリープと癌性腫瘍の形成に繋がることから、 寿命の間に癌を発症するリスクが高まります。

難病指定されている「クロンカイト・カナダ症候群」も同様に色素沈着を有し、 かつ、多発性ポリープを有するため、誤診されることも多くなっていますが、 クロンカイト・カナダ症候群とは明確に区別されます。

色素性乾皮症

色素性乾皮症
色素性乾皮症は、 紫外線によって受ける細胞の損傷を修復する能力が欠如している遺伝性の疾患です。
  • 日光への暴露によるシミ・ソバカス
  • 皮膚の乾燥
を特徴とし、症状がひどい場合には、完全に太陽や紫外線から遮断される措置がとられることから、 「夜の子どもたち(Children of the Night)」と呼ばれることもあります。

2007年に発行された「世界の科学(本社シンガポール)」によると、 日本人は他の人種よりも色素性乾皮症の発症率が6倍高い、と述べられています(※真偽検証できず)。

また、皮膚がんを発症しやすいため、 紫外線を避けるなどの基本的な対策のほか、 専門医での早期診断、治療が必要です。

真皮メラノサイトーシス

真皮メラノサイトーシスは、黄色人種に多く見られる色素沈着で、 真皮のメラノサイトを原因とする様々な色素沈着疾患の総称です。

組織学的には、 真皮におけるメラノサイトの存在によって特徴づけられる色素沈着になります。

この真皮メラノサイトーシスに分類される色素沈着は、
  • 太田母斑(下記参照)
  • 伊藤母斑(肩から肩甲骨にかけて生ずる青アザ)
  • 堀母斑(後天性両側性太田母斑様色素斑)
  • 青色母斑
  • など
です。

太田母斑

太田母斑
メラノサイトが、自律的に過剰に増殖した色素沈着です。

同じ真皮のメラノサイトが増殖した「青色母斑」や「蒙古斑」との違いは、 真皮層でのメラノサイトの分布領域にあり、 真皮の上層1/3にメラノサイトが存在することです。
また、基底層でのメラニンの沈着も見られます。

先天性と後天性があり、 後天性の場合は、思春期に発症しやすくなっています。

発症部位は目の周り、額、顔で、 顔の両側にできる「堀母斑」や、肩・上腕にできる「伊藤母斑」とも区別されます。

皮膚科あるいは美容外科で治療可能です。

蒙古斑

蒙古斑
太田母斑と同様、真皮でのメラノサイト増殖による色素沈着です。
新生児の腰からお尻に症状が現れ、最も一般的な色は青です。

太田母斑とは異なり、 メラノサイトの色素沈着は真皮の下層2/3にでき、 太田母斑のように基底層でのメラニンの沈着は見られません。

先天性ではあるものの、 ほとんどの場合、出産後3~5年、 遅くとも思春期までに自然に消えてなくなりますが、 気になる場合は治療も可能です。

網状色素沈着皮膚症 (DPR)

網状色素沈着皮膚症 (DPR)
名前の通り、 網状の色素沈着が 手、足、腕、脚、首などにできる病気です。

幼少期より発症し、色素沈着(黒ずみ)症状は、 徐々に広がっていきます。

他の症状としては、
  • 手足の角質増殖
  • びまん性脱毛(毛髪全体が薄くなる)
  • 爪異栄養症(爪に線やでこぼこ)
などを有する場合もあります。

原因は先天性の色素異常で、 ケラチンタンパク質中の特定の欠陥と考えられています。

家族性進行性色素沈着

家族性進行性色素沈着
出生時に存在する色素が、 加齢とともにその大きさと数を増やし、 全身性の色素沈着を引き起こす病気です。

常染色体優性遺伝性疾患ですが、 詳しい原因は不明です。

ガリ・ガリ病

遺伝性の皮膚病です。
皮膚に1~2mm程度の赤、黒褐色の隆起ができます。

進行性があり、 湾曲部の網状色素沈着過剰を特徴とします。

Pallister・キリアン症候群

Pallister・キリアン症候群
染色体異常による疾患です。
患者数は非常に少ないと定義されるものの、 軽症による誤診の影響も指摘されており、 その正確な数の把握は困難とされています。

Pallister・キリアン症候群の色素沈着は、 低色素沈着と高色素沈着の両ケースが確認されています。

その他症状は、 発達障害、てんかん、筋力低下を特徴とするほか、 外見的特徴として、 離れがちな目、丸みを帯びた額、まばらな髪の毛、大きな舌などを有します。

先天性角化異常症

先天性角化異常症
以下の3症状を特徴とする遺伝性の疾患です。
  • 皮膚の色素沈着
  • 若白髪
  • 爪ジストロフィー(もろい爪、縦線、変色など)
皮膚萎縮と毛細血管の拡張により、 患者の90%で網状の過度色素沈着を有します。

その他、口腔粘膜の白斑症、 連続流涙(涙が出続ける)、 血小板減少症、貧血 、男性の精巣萎縮などの症状を有する場合があります。

先天性角化異常症は、テロメアの欠陥によって引き起こされる継承された骨髄不全や癌素因症候群です。
正確な有症率は不明なものの (約100万1人とする文献あり)、 男女比は3:1で男性が多く、 レーベース症候群も先天性角化異常症の1つと考えられています。

一過性新生児膿疱性メラノーシス(黒子新生児)

一時新生児膿疱性メラノーシス
一時的な新生児の膿疱症とも呼ばれるように、一過性の色素沈着です。

2~3mmの水ぶくれが、 額、あご、首、手のひら、足の裏などに現れるものの、 数日で破裂します。

水泡が破裂後も 色素性班を残しますが、 この色素性班も数週間~数ヶ月でなくなります。

遺伝性出血性末梢血管拡張症(オスラー・ウェーバー・ランデュ病)

遺伝性出血性毛細管拡張症
毛細血管の介在がなく、 結果的に動脈と静脈が直接結合する多発性動静脈奇形(AVMs)の存在を特徴とする病気です。

皮膚だけでなく、舌、粘膜、臓器(肺・肝臓・脳)に動静脈奇形があることから、 様々な問題、合併症に繋がる恐れがあります。

発症率は5,000人に1人程度と比較的高く、 良く知られる特徴は出血で、
  • 慢性の鼻血(90%以上、幼少期より)
  • 消化管出血(20%程度、高齢になってから)
により、慢性的な鉄分不足に陥ることがあります。

治療は対処療法が用いられ、鉄分の供給や輸血のほか、 その他発症箇所と症状に応じた治療が用いられます。




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