目の下のクマの原因は毛細血管の老化

目の下のクマの原因は毛細血管の老化
毛細血管は5μm
目の下のクマの原因の一つが毛細血管の老化です。

近年の様々な研究によると、 毛細血管は年とともに衰え、もろくなり、 毛細血管そのものの数が減ることが分かっており、 その結果、 肌の老化(シミ、シワ、たるみ、目の下のクマなど)の原因になっています。

ここでは、目の下のクマの原因の一つである毛細血管の老化とその対処方法について、 紹介しています。


毛細血管の老化とは

毛細血管の老化とは
  • 血管の数が減少する
  • 血管がもろくなる、壊れやすくなる

年齢とともに毛細血管の数が減少する

年齢とともに毛細血管の数が減少すると目の下のクマの原因に
動脈や静脈の数が減少することはありませんが、 毛細血管は環境によりその数を減らしてしまいます。

これは、人間の生命維持に関わる本能で、 血流が悪い(冷え性)時は、 心臓により近い部位、臓器に血流を送り、 他の部位の血流を制御するためです。

使われなくなった毛細血管はその数を減らし、 20代をピークに、 60代ではおよそ40%も減少してしまいます。

血管がもろくなる、壊れやすくなる

動脈や静脈のような3層構造とは異なり、 毛細血管は内皮細胞と壁細胞という2層しかありません。

この毛細血管を守る壁細胞はわずか0.5μm(5/10,000mm)の薄さしかなく、 様々な要因で傷つき、損傷しやすくなっています。

特に40代以降、毛細血管の外側の壁細胞がもろくなり、 酸素や栄養素が必要以上に漏れやすい状態になります。

毛細血管の老化と目のクマ

上記、毛細血管の老化により、 目の下にクマができる原因は「新陳代謝の低下」と「各種病気」です。

毛細血管の老化による目のクマ
  • 新陳代謝の低下
  • 斑状出血、紫斑(※老化だけが原因ではない)

新陳代謝の低下

細胞と酸素、栄養素、二酸化炭素、老廃物のやりとりを行うのは毛細血管(正確には間質液)です。

そのため、毛細血管が老化すると、 必要な栄養が届けられず、 また不要な二酸化炭素や老廃物を回収できず、 肌の老化(シミ、シワ、たるみ、菲薄化など)とそれによって生じる目のクマの原因になります。

特に、 新陳代謝が低下すると、 コラーゲン合成の低下、 肌の乾燥により、 肌が菲薄化(薄くなる)が進行するため、 還元ヘモグロビン(二酸化炭素を多く含む赤血球:赤紫色)や、皮下組織の色が目立つようになり、 目のクマに見えます。

斑状出血、紫斑

斑状出血 斑状出血
斑状出血の症例
毛細血管のもろさを1つの原因とする病気が「斑状出血」や「紫斑」です。
これら病気の原因は、アレルギー、軽度の炎症反応、血小板の数や機能の低下など様々ですが、 その1つが皮膚や血管の老化です。

毛細血管がもろくなり、破裂した結果、 表皮層内に血液が蓄積し、 色素沈着あるいは目のクマのように見えてしまいます。

赤あるいは青みがかった皮膚の変色が特徴で、 紫斑は比較的小さく、斑状出血は比較的大きいことが特徴です。

似たような症状である「あざ」も毛細血管の損傷ですが、 外傷による一時出血であり、時間の経過と共に自然治癒することが多くなっています。

※斑状出血、紫斑とも目の周りにだけできる病気ではありません。

毛細血管の改善

毛細血管の老化は毛細血管が使われなくなることが原因のため、 「毛細血管が使われるよう、全身の血流を良くすること」や、 「毛細血管を強化する各種方法」が効果的です。

毛細血管の改善
■栄養
  • シナモン
  • 亜鉛
■運動
  • 有酸素運動
  • ブルブル運動
■お風呂
  • お風呂
■その他
  • 紫外線
  • 姿勢
  • 化粧品

栄養

シナモンで目の下のクマ解消
シナモンは損傷によって傷ついた毛細血管壁を修復する作用があります。
毛細血管の内皮細胞と細胞壁を接着するTie-2の活性化が毛細血管の損傷修復に効果があることは分かっていましたが、 シナモンはこのTie-2の活性化を促してくれます。

摂取量上限は1日1g以内で、数ヶ月で効果を発揮します。
ただし、妊婦や肝臓が悪い人はホルモン分泌バランスの不調、肝障害の誘発などの理由から、 シナモンの摂取には注意が必要です。

詳しくは、 シナモンの効果と副作用をご参照下さい。

また、 亜鉛は血管の内皮細胞層の修復を促進する栄養素です。
血管壁に付着したコレステロールを減らす効果もあるため、毛細血管だけでなく、全身の血流が良くなる効果があります。

運動

ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動は毛細血管の発達、修復に効果があります。
有酸素運動の効果は様々ですが、 特筆すべきは酸素の供給不足によって毛細血管が発達すると考えられていることです。

マラソン選手などが山や高地でトレーニングするのもこの理由で、 少ない酸素を末梢の各細胞へ届けることができるよう、自然と毛細血管が発達します。
有酸素運動は年齢や疲労度によるものの、 一日30分、週3~5日程度、3ヶ月の継続で十分効果があります。

詳しくは 運動の美容効果をご参照下さい。

また、 仰向けに寝て、両手両足を垂直に上げ、ブルブルと震わすだけで、 末梢血流が良くなり、毛細血管の発達に効果があります。
時間は1日15分程度で十分効果があります。

お風呂

お風呂やサウナで身体の芯まで温まると血流が全身を巡り、良くなります。

毛細血管の損傷や壊死の原因の一つが「使われていないこと」のため、 普段シャワーだけで済ませ、十分に身体の芯まで温まっていない人に、この方法は効果的です。

また、温泉の中でも、特に血流改善に効果があるのが、炭酸泉です。
詳しくは お風呂の美容効果をご参照下さい。

その他

姿勢が悪いと呼吸が浅くなります。
その結果、血液を押し出すポンプの作用が十分に発揮されず、 本来届くはずの末梢部分、毛細血管まで血流が届かなくなります。

言い換えると、姿勢を良くするだけでも毛細血管の発達に効果があります。
姿勢を正しながら、呼吸と運動を行うヨガは目の下のクマにさらに効果的です。

また資生堂が発表した内容によると、、 ケイヒエキスが毛細血管の損傷修復に効果がある、としています。


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